金庸プロジェクトとは?

我々幇会メンバーの間では、中国の武侠小説家、金庸武侠小説をもっと日本に広めよう!という様々な活動のことを、分野を絞らず広義の「金庸プロジェクト」と呼んでいます。今日はこれまでの経緯についてまとめてみました。これからどうなっていくのか楽しみです。

学術分野

1996年、徳間書店から金庸全集の翻訳本が出版開始。翻訳・監修は岡崎由美先生。早稲田大学時代の私の恩師でもあります。以降、学術系の雑誌を中心に識者の間で作品が知れることとなり、一部のコアなファンの間でも評判を呼ぶようになる。2001年には神奈川大学鈴木陽一先生が中心となり、金庸先生の日本初講演を実現。2002年1月〜3月、2003年10月〜2004年3月にはNHK中国語講座にも「射周鳥英雄伝」が登場し人気を博す。2004年3月には最後の翻訳である「鹿鼎記(8)栄光の彼方」が出版される。

ビジネス分野

プロデューサーY氏や某大手広告代理店D社の幇会メンバーによる、日本における金庸作品のエージェント活動を中心とする。それまでは各業界・各社で個々に活動を行っていた。例えば2001年10月のBSフジ「コンドルヒーロー(神周鳥侠侶)」放送、最近では2004年7月より中央電視版「射周鳥英雄伝」日本語版DVDのリリースなど。今夏公開の「LOVERS」(監督:張芸謀、主演:金城武劉徳華章子怡など)による武侠映画の裾野の広がりにあわせ、今後どのような展開がされるのか楽しみである。2004年4月には、日本唯一の金庸公式モバイルサイト金庸的江湖日本版がスタート。

ファン分野

香港映画などコアなファンの間では以前から有名だったが、日本で金庸武侠ファンが本格的に増えたのはやはり翻訳本が出版されてから。その後、各サイト運営者やコアなファン同士、学術分野、ビジネス分野との間でも連携を取りあうことで金庸武侠の普及について何かできないか、ということで2002年2月よりMLを開始。ファン達の間で幇会を結成し、金庸茶館MLや各サイトの掲示板で連絡をとり会うようになる。幇会活動は今のところ八雲雲閣の八雲さん、武侠応援団の魯達さんなど関西が中心。関東でも過去5回ほど集会が開催されている。Y氏のご協力で実現した金庸先生にメッセージを送ろう!企画では実際に金庸先生からいただいたメッセージに感激するファンが続出。