日中国際交流について考える

先日のサッカーアジアカップ。テレビや雑誌で中国観衆の日本へのブーイングの様子が盛んに報じられていたが、どうやら少し落ち着いてきたようだ。決勝は残念ながら花火のため見てないのだが、スポーツ音痴の妻ですら準決勝は興奮して見ていた。その妻が一言「中国人、むかつく」。

確かにあれはひどかった。ただ、だーれんさんの日記にもある通り、中国人のみんながみんなああいう露骨な反日感情を持っているわけではない。たとえ中国チームが負けて悔しい思いをしたとしても、全力を尽くした相手をたたえる、そういう普通の人も実際には多い。そういった側面を全く伝えず、反日感情と教育問題、それと北京五輪開催の資格なしとことさら強調して「中国人は低レベル」「だから中国人は・・・」と報道した日本のメスメディアの責任は大きい。

無論、アジアカップでの中国人の応援を擁護するつもりはない。ただ、あの報道を見ただけで、中国人のみんながみんな反日感情を抱いているわけではない、ということを日本人にも知って欲しいだけだ。私は中国の歴史教育は間違っていると思っているが、同時に日本の歴史教育も間違っていると思う。大切なことは、自分の受けた教育やメディアが流す情報を鵜呑みにするのではなく、実際に自分の目で見て、自分の頭で考えるようにするということだ。歴史教育を語るときに良く「正しい歴史を」というが、はっきり言って正しい歴史なんてものは存在しない。あるのは「歴史」をどう認識したか、という結果だけだ。だから日本で教わった歴史を信じれば、中国人の反日感情がヒステリックに見える。中国で教わった歴史を信じれば日本人は極悪野蛮な民族である。

台湾に留学していたとき、つたない中国語で韓国人留学生と歴史認識について激論を交わしたことがある。彼は今、留学時代の日本人同学と付き合っている。先日も電話で話したが、元気そうで嬉しかった。彼とは今でも良い友達だ。彼の場合は韓国人だったが、それは相手がどこの国でも同じ事。お互いの国がより良い関係を築き上げるためにはどうしたらいいんだろう?まがりなりにも国際交流活動に多少足を突っ込んでおきながら、自分にはこうした小さな交流を一つ一つ積み重ねるしかできない。それはとっても大切で素敵なことだとは思うけど、最近の状況はマスコミや政治家の言動、教育問題など大きな力を持つものが逆のベクトルに流れているようで、とても歯痒く、悲しく思っている。