これまでの治療の経緯

自分たちの場合ははじめて2人で不妊治療に訪れたときにいきなり男性不妊が発覚。精液の中に全く精子がいない無精子症。以後数ヶ月間何回も検査を続けるも、結果は同じ。精巣の大きさやFSH値(ホルモン値)は正常なので、おそらく精路通過障害なのだろうが造影検査やMRを受けてもはっきりとした原因が判らず。顕微受精に賭ける以外選択肢が無くなる。結局精巣生検で精子を採取したが、幸運なことに生きて動いている精子を取り出すことができ、それを凍結保存。
一方、採卵の方はグレード2のものが5個。授精はレーザー法で卵の殻を授精しやすく削ったりしてもらったのだが、授精したのは1個だけ。1個だけだと着床しない可能性が高く、病院によっては胚移植をしないところもあるようなので、正直今回はムリかもなあ、と思っていた。排卵誘発剤はhMGを使ったが、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の副作用で卵巣が張れて腹水がたまり、血液の濃縮まで起こしてしまう。入院まではしなかったが、結構重症だったらしい。結局薬の種類を変更し、毎日数時間病院で点滴を打ってもらってちょっとマシになったようである。
ちゃんと安定するのかもちろんまだ判らないし、もし流産してしまったらあと何度かは治療を行う可能性もあるけど、今になって思えば早い段階で顕微受精に向けて2人で準備できたのが良かったのかなあ、と思う。そんな状況で、たった1個の精子卵子がここまでたどりついた運命の不思議。早く「お腹の中の子」になれるよう、ちゃんと育ってくれよ。ちゃんと育つんだぞー。